電子帳簿保存法について④

 今回は、「タイムスタンプ」についてお知らせします。

 ○ タイムスタンプの不要となる要件の注意点について

  電子帳簿保存の要件緩和によって、訂正削除履歴(訂正削除ができない)が確認できるシステムを利用した場合は、タイムスタンプの「付与」は不要とされました。ただし、タイムスタンプの付与の代用要件を満たすには、タイムスタンプが果たす機能である、ある時点以降の変更を行っていないことの証明が必要となり、保存義務者が合理的な方法でこの期間制限内に入力されたことを証明する必要があります。つまり、オンプレ型などサーバーの日付が変更できる環境での運用は客観的な証明とはならないとされる場合があり、訂正削除履歴が残る(訂正削除ができない)システムであってもタイムスタンプの代用要件として認められない可能性があります。

 ※ オンプレ型(オンプレミス型):社内にサーバーや通信回線、システムを構築し、自社で運用を行う形態

 ○ タイムスタンプとは

  タイムスタンプは、タイムスタンプに刻印されている時刻以前にその電子文書が存在していたこと(存在証明)と、その時刻以降、当該文書が改ざんされていないこと(非改ざん証明)を証明するものです。タイムスタンプの信頼の基盤は、タイムスタンプを発行する時刻認証局(TSA:Time-Stamping Authority)が信頼できる第三者(TTP:Trusted Third Party)であることに基づいており、これは紙文書の場合、日付の証明として郵便局というTTPの消印を用いるのと同じ考え方です。